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上手い、早い、大きい

三軒茶屋の茶沢通りが歩行者天国となる際に現れる約20mのストリートファニチャーである。 本件に限ったことではないが、陽の当たりがちな賑わいの風景の影には、運営側の途方もない労力がある。限られた予算、人手、時間、収納スペースでの運用は、どんなに余力のある自治体でも嘆く課題であり、それを解くひとつのロールモデルになればと考えた。 そうなると、合言葉はシンプルである。某カップ焼きそばのテーマではないが、デザインとしての「上手さ」で、設営・撤収が少人数で素「早く」でき、限られた予算・収納スペースでも「大きく」展開できる、ということだ。

XX bench × XX bench

そこで、以前、梼原町に提案した「XX bench」を掛け合わせるような手法とした。 手数の少ない構法ゆえに、短時間で設営撤収ができつつも、容易に解体可能なため収納スペースの制約にも柔軟に対応できる。また、連結・拡張しやすい自由度があるため、座面の木を互い違いに差し込むことで、倍々(×)で、どこまでも延ばしていけるデザインを可能にした。 実際に利用している様を見たが、茶沢通りという直線性の強い道の特性と相まって、どこまでも続いてくような風景がそこにはあった。 思えば、人類は道“ストリート”を開拓し、そこに場を見出し、営みを育んできた。 この “ファニチャー”も、道が延びるように展開され、そこを使い手が趣向を凝らして使い、生活を彩っていくという意味では“ストリート”の起源をなぞっているように思える。 “ストリートファニチャー”という言葉を、そのままデザインとして翻訳したようなこのベンチは、様々なヒト・モノ・コトも掛け合わせていくことであろう。

種目:
ベンチ、テーブル
主要材料:
スチール、木板
施工:
自主施工
鉄脚部製作:
十てつ
撮影:
岡本章大、文生堂

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