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手数を減らし、可能性を拓く。

座ることを躊躇うほど、朽ちたベンチの姿を目にする。「更新」に対し、社会システム、心理的なハードルが高さから放置されているのだろう。誰もが気軽に腰かけられることを意図したものが、更新となると腰が上がらないとは皮肉なものである。 そんな思いの中、高知県梼原町からパブリックベンチ製作の依頼があった。梼原町は、「雲の上のまち」の呼び名があるように標高が高く、豊かな森林資源に囲まれており、住民も「木」への造詣が深い。しかし、熱量のある梼原町と言えど、今まで通りの手法・デザインでは、前述したベンチの二の舞となってしまう。そこで、我々が行ったデザイン行為はただひとつ、極力、手数が少なくすることである。

「XX bench」の「XX」に宿る2つの意図

1つ目は、デザインとしての「XX」 ヒンジ機構により開閉するX字の鉄フレームによって、座面の木部分は自重+荷重で締め上げられるように固定される。それに加え、背板を差し込むと、背部支持の鉄部と噛み合う仕口となっており、水平方向への抵抗をより強固にする。 ビスや接着剤なしで定着するため、組立・更新・解体が簡易な構法であり、永く美しくあり続けることができる。また、その合理性を生み出した「X」の姿が、同時にこのデザインを示すアイコンとなっている。 2つ目は、誰かのものとしての「XX」 木部に、地場産材や陰で眠る廃材を活用したり、また、誰でも組立できることは、親しみが芽吹くきっかけとなる。そんな許容力がこのベンチにはあるため、様々な場所で、様々な人にとって愛着の対象となり、その印として「XX」の部分に名前が付けられることを意図している。 このように、贅肉をそぎ落とした結果、様々なものを掛け合わせられるような広がりを持った。梼原町の誇りを体現化したベンチがその思想を乗せて、まちの呼び名である「雲」のように各地に広がっていくことを願っている。

種目:
ベンチ
主要用途:
ベンチ
主要材料:
スチール、木板
施工:
自主施工
鉄脚部製作:
十てつ
撮影:
岡本章大、文生堂

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